会社クビになった社会不適合者のブログ

【小説】通り魔

 魔が差した、というやつだろうか。やってしまった。というか殺ってしまった?  なんとはなしに深夜徘徊なんてするから、こんな目に合うのだ。なんでやっちまったのだろう。イライラしてたから。疲れたから。眠かったから?どれも全部理由な気もする。人生なんてロクなもんじゃない。アホだよ。ホント。こんな平和な日本で、それに真っ向から反抗してんのは俺くらいの物かも知れぬ。あーあ、だよ、あーあ。死にてええなあホント。なんで生きてんだよ俺は。だいたいどこで、間違った、どこで。中学かなー、あんときに俺のことを好きな女子がいたのに、まったく自意識過剰で喋れなかった。ホントに女子苦手。いまでもそうだが。まああの時まかり間違って、付き合っててもうまくいったとなんて思えなんだけど、でもかわいい子だったよね。ホントあほ。うーん、あとは…でも考えるとそんな大幅に間違ったといえるほどのことないんだよなー。べつになにか目標があってそのために邁進してきたような人でもないし。ていうか、よく考えると生きるのに間違いだ、正解だという定規をもってないのかも。それが間違いのはじまり、みたいなね。どうであってもどうすりゃいいやら。まあさて、回想はこれくらいにして、現実のことを考えよう。とにかく、まず家帰ったら、シャワー浴びて、来てた服は処分して、だな。まあそんな感じで。あーあお気に入りだったのになあこれ。てか初めてだな、銃以外でやったのは。いつもは打ったら一発だけど。ナイフというのはなかなか大変だよ、ホント。もっと鍛えないと、今度はこっちが殺されるかもな。てか危ないのにこんな山の中を夜出歩くバカなんてそうはいないけどね、ホントなんで猟師なんかになっちまったのか、人生分からん。